2025/11/20 05:48
肉の方、魂の方。
肉の方のわたしは生きたい生きたいと叫んでいて、魂の方のわたしは、美しくありたいと叫んでいる。
生き延びの欲求。
生きるために喰うという行いが、魂の方のぼくには酷く醜いものに見えるらしい。
生きるために、お金を稼ぐ、所有する、他者よりも優れているのだと主張する、承認を求める、そういうのが、魂の方のわたしには受け入れがたいものらしい。
でも、肉があるから魂がある。
魂だと思っているそれはきっと、神経の寄せ集めであって、感動だと思っているそれは、脳神経のどこかの活性化という現象にすぎない、のかもしれない。
肉と魂は、どうしようもなく地続きだ。
それに、魂の方のわたしは、肉の方から与えられるものを愛している。
たとえば、毛布の手触り、煙草の匂い、絵を描いているときの感触、夕暮れ時の桃色の空、そういうのは、肉があるから得られるもの。
大好きなもの、愛しているもの、
そういうのが、魂を形作っている。
生じてしまった嫌悪を無かったことにすることも出来ないから、今日も、なんとか、折衷案を、自分が納得できる存在の仕方を模索するのだろう。